えこひいき日記

2001年8月6日のえこひいき日記

2001.08.06

引き続き、ハトのことが気になる。気になるのは、現在治療中のヒナのこと(容態については後日、保護センターからはがきが来る)もだが、親バトが産んだ卵を温めようとしないこともだ。どうなるのだろう。見守るしかないけれども。目の前に展開される事態に「感情」で反応するのはかんたんだし、それで判断を完結させるのもかんたんなのだが、私にはまだ目の前に起こっている事態がどういう事態なのか、わかっていない。わからないから、見ているものを見るしかない。

たまごといえば、現在京都の国立近代美術館で「ミニマム マキシマル」と題された展覧会が開催されているのだが(ちなみにこの展覧会は8月12日まで)、その中に「磨かれた鶏卵」という作品が展示されていた。カーリン・サンダーという作家の作品で、生の鶏卵を目の細かい紙やすりで磨いてつるつる・ぴかぴかにしたものだ。「かたち」は確かに鶏の卵なんだが、あのマットな質感が消えて「つるつる」になっているだけで、非常に奇妙な印象を受ける。「たまごみたいな」何か、という感じはするのだが、該当するものが体験記憶の中にないので、いろいろ自分のアタマの中を探し回るわけである。その作業が、面白いといえば面白い。
思えばミニマル・アートの面白さというのは、そうした「シンプルな形の中にある展開の広がり」にあると断言しちゃってもいいのかもしれない。おもしろいけど、とてもムツカシイ。なぜなら、必然的なシンプリシティは感想や解説を拒むからだ。とくに、ミニマル・アートにはそれを感じる。
昔、私の弟がニューヨークに遊びに来て、グッゲンハイム美術館に行ってミニマル・アートを観たときに「なーんや、それ」と絵に向かって「つっこみ」を入れていたが、彼の態度はある意味タダシイ。

ちなみに、鶏卵をどのくらい磨けばつるつる・ぴかぴかになるのか、卵の殻(料理した後の)で実験してみたのだが、かなり時間がかかりそうなことが判明した。私は1種類しか紙やすりを用意しなかったのだが、何種類か使い分けた方が無難そうである。

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