えこひいき日記
2001年8月17日のえこひいき日記
2001.08.17
今日から通常業務。結局「お盆休み」の間は日曜大工のようなことと、若干のペーパーワークをしていたら終わってしまった。
しかしよいのだ。たのしかった。少し大きい音で音楽をかけながら、のこぎりで木材を切ったり、ペンキを塗ったり、押入れの中の書類を整理したり。その合間にお茶を何杯も飲んだり、考えてみればする作業はいたって地味なんだが、楽しい。何も考えずに(つまり、必要なことだけ考えるが後は迷いもないし恐れもない)行動できるということはシンプルに快感だなあ…などと思いながら作業していた。
うちの猫は私がいつもよりのたくらとしているのを若干不審そうに見ていたが、基本的に自分には利害の変動がないので「好きにすれば」という調子で私の作業を見ている。
石鹸作りの本とか、料理とか、日曜大工でもそうだが、よく「お子さんの手の届かないところで」とか「ペットのいないところで」作業をするよう、促す但し書きがついていたりすることがある。あれは、子供やペットの好奇心による不意の「襲撃」に備えてのアドバイスだと思うのだが、うちの猫はみごとに「無関心」である。見ているが、手は出さない。ペンキ塗りをするために床や壁にカバーシートを貼り付けていると、喜んでその上に座ってしまったりなどはするが、そのうち飽きて移動するので、人間(私)は猫を追い立てるなどという馬鹿なことはせず、そのときを待つ。ペンキ塗りの過程で「最も恐れていること」は「ペンキ塗り立ての部分に手形をつける」と同時に「猫の毛にもペンキがついちゃう」(うちの猫は長毛種で黒く、塗っているペンキは白なのであった)ということなのだが、うちの場合はなぜか適当な距離を置いて(けして去らない)寝そべったまま、作業に「手を出す」ということはおよそない。というわけで人間にとっては至って平和な作業であった。
もちろん時には、例えばパソコンにばかり向かっているとキーボードを襲撃してきたり、ノートを書いているとその上に座ってしまったりということはある。でも大抵「説得」すればわかってもらえるので、至って平和な同居関係が続いている。
すごくちょうどよくほっておいてもらえることの心地よさ。私にはありがたい。
こういう猫と暮らせる私は幸福な人間なのだろうと思う。