えこひいき日記
2003年11月7日のえこひいき日記
2003.11.07
めまぐるしくいろんなことがあり、もはや11月突入である。
この一週間ばかりの私のスケジュールは公私共に濃密であった。
先週の今時分は、ある公演を見に行って期待を下回るできばえに思いのほかへこんでしまい(私がへこむことでもないかもしれないし、システムトラブルなども重なってのことだが)個人的に、えらくまいってしまった。納得がいかなかったので翌日劇場に差し入れを持っていって様子を聞いてみて、ともあれ「いつもこんな調子であるわけではない」ことがわかって、ちょっと安心した。差し出がましいとは思いながら、出演者にちょっとアドバイスなどして、劇場を去った。
その翌日、私が「息子」とも思ういとこの結婚式があり、朝からコスプレにいそしんだ。実に珍しくまじめに化粧に取り組み、振袖を着付けてもらった。それにしても、着物姿、それも正装した状態だと、本気できちんと自分の背骨を使わなければ全く脚が自由にさばけないことを実感した。日頃からレッスンにいらしてくださっているお茶の先生や日本舞踊をする人たちには言っている事なのだが、本当にまじめにそうしないと、動作がなんとぎこちなく無様になることか。結婚式では、私の隣で様々な思い出がこみ上げた弟が泣き出してしまい、つられて私も泣いてしまい、何と涙涙の結婚式になってしまった。とはいえ披露宴のごはんもおいしく頂き、BGMに突っ込みを入れ、新郎とは「第一ラウンド(結婚式)、第二ラウンド(披露宴)終了!おっす!」と気合を入れあうという、ガッツと和みの内に無事終了。その後の二次会に向けて今度はドレスに着替えた。ほんと、コスプレである。これから私が歩むであろう「恐るべき小姑への道」を予感しながら、怒涛のごとくその日は終わった。
それから私は福井と奈良に行った。この道行きも非常に面白かったのだが、ここでは割愛する。でも充実した旅のお蔭で連休明けからスケジュールは結構ハードだったのだが、そのわりにぜんぜん元気である。
今日は市内の小劇場で今日が初日のJ&M出演のダンス公演を観にいった。「ショートバージョン」という但し書き付きの30分の作品である。ただ、これは全編が仕上がっていてそれを編集したという意味の「ショート」ではなく、全編制作に向けてのプロット集的な「ショート」なので、ちょうど映画やドラマの「予告」を観ただけではこれがどういうお話なのか正確には把握できないのと同じで(でも面白さは「予告」からもそれなりにわかるように)、全編の完成に期待が膨らむ「ショートバージョン」であった。終演後、音楽の使い方や身体表現の仕方について、すこし彼らと話ができた。やはりとても面白い。それにしても、難しいことに挑戦しようとしているなぁ・・・というのが私の率直な感想。前作の最終公演時には「次の作品は軽い感じで・・」などと言っていたのに、なんのなんの、こいつは大テーマですよ。それだけにありがちな手法、率直過ぎる表現ではかえって陳腐になりかねないテーマである。しかしこのずっしりした普遍的かもしれないテーマを、高度な技術、正確な身体のボキャブラリーの引き出し方を存分に使って、軽やかに料理していただきたい。12月の伊丹での公演が楽しみである。