えこひいき日記
2007年4月3日のえこひいき日記
2007.04.03
高松塚古墳がいよいよ解体される。既に何度も報道されていることだが、古墳内部にカビが発生し、壁画が消えそうになっているためである。
私事なのだが、うちの実家の玄関には「明日香美人」の屏風が置いてある。高さ150センチくらいはある屏風で、物心ついたときからずっとこれをみていたので「明日香美人」というのは「こういう大きさ(1メートル以上の美人)」だと思っていた。だから実物大の古墳内部の展示を見たときには驚いた。本物はちっこかったのねー。考えて見れば、仰向けにされた故人を取り囲むように組まれた石室は文字通り「石の棺おけ」なのだから、そんなに大きな絵が描かれているわけではないのである。
テレビで高松塚古墳の内部映像が映る度に不思議な気持ちがする。画像で紹介される今の「明日香美人」は消えそうになっているというのに、我が家の「明日香美人」は変わらずに鮮やかな姿のままなのである。あたりまえなのだが。
退色し、消えそうになっているという「明日香美人」の報道を見るたびに、その現状を痛ましく思うたびに、ふと、どっちの「明日香美人」が「ほんもの」なのだろう、私のとって・・・などという奇妙な感覚(質問?自問自答?)が過ぎりそうになる。
我が家の「美人」は多分今後も変わらずに、大きくて、鮮やかなままなのだろうな。