えこひいき日記

2025年12月の「えこひいき日記」

2025.12.01

新月満月前講座を2年間続けてみて、感じたことを書いてみます。

★もともと…

新月満月のタイミングで自身を整える「何か」を行うのはもう十年以上の習慣でした。何らかの形で自分を整えることをする…例えばどこかの神社仏閣にお参りに行く、自然やお水が清い場所を訪ねる、といったことです。

新月や満月は必ずしもカレンダー上の休日・祝日と重なるわけではないので、時間を確保するうえで不便と感じることもありました。時間が取れないこともしばしば。

それでも途切れることなくそうしたことをしてきたのは「そのタイミング」でそうすることで何かが明確が「整う」感覚があったからだと思います。

コロナ禍の折、レッスンにおいでになれない方に向けて何かできないかな…と考えて「ルーティン講座」という「定期・定常的に自分の身体を整えるルーティン・ワーク」を行いました。

このテーマにさらに「タイミング」という要素を意図して加えたのが「新月満月前ワーク」になるかと思います。

★なぜ12星座をテーマに?

実は、取り入れたかったのは12星座そのものよりも「新月・満月」というタイミングと、「象徴」という概念でした。

象徴というのは、ざっくりいうと「喩え(明喩や暗喩)」です。

目には見えない「思考」や「心象」を目に見えたり感じられたりする「具体的なもの」(シンボルやマーク、図像や物語など)にして表現されます。

例えば「四葉のクローバー」等の「ラッキー・シンボル」を所持するのは「持ち主が幸福であるように」という「思い」や「祈り」の具象化です。なので、もし誰かからこうしたモチーフ入りのものを贈られたとしたら「あ、この人は私の幸福を願ってくれているんだな」と受け止められます。

「本当に四葉のクローバーを持っていると幸福になれるのか否か」が主題ではなく、モノが象徴しているものを受け止められるか否かが主題です。

このように、非言語的に誰かの行動や思考を理解したり、逆に「自分が体験したのは何だったのか」を受け止めるのに象徴は機能します。

「ルーティン講座」で「定期的にやってみることでわかること(やらずにこうであるはず、と思い込むのではなく)」にそれなりに触れたうえで、次に

「象徴」あるいは「物語」が持つ作用を通して「目の前の善し悪しにこだわる」「短時間で結果や効果を出そうとする(何かを育むよりも終わらせるために日々を生きる)」ことでは得られないことをお伝えしたい、と考えました。

それにあたり「12星座」は適度に身近なカルチャーであり適度に「謎(非日常的)」ものなのでよいかな、と思ったので取り上げてみたのです。

とはいえ、始めた当初はほぼ感覚でスタートしたことでした。2年が経過した今、改めて振り返り言語化するとこんな感じかな、と思うのです。

★2年間やってみて思うこと

ご参加の皆さんを観ていて、私が感じた印象を書いてみます。

1)「タスク」<「ペース」<「タイミング」

「したほうがいい」と思うことを思いつくごとに行うのもよいですが、「タスク」は気になった分だけ増加しがちです。「タスク」を精査して自分に合った「流れ(ペース)」を作れると、自身の体調の波が理解しやすくなり、自分の体調や感情に一喜一憂することが減るような気がします。ちょうど個別の点々だったものが線を描き始める感じでしょうか。

さらにそこに「タイミング」が加味されると、たとえ一時的にペースが乱れたとしても全体として動じにくくなるような気がします。

2)「印象」「インパクト」が強いものが「重要」「大事」なものとは限らない

「からだに効果のある運動を」と考えると、ある程度負荷のあるものを思い浮かべる方が多いかもしれません。「つらそう。そんなの、できるかなあ」とあらかじめ絶望して緊張を高めたり、「いや、それくらいやってこそだ。負けないぞ!」と駆り立てすぎてやはり緊張し、実は「動きにくい身体の条件」を作ってしまっていることは、実は珍しいことではありません。

この講座で行う動作は、決して激しいものではありません。ですが、難しくないわけでもないのです。

細やかな作用を感じ取りながら動いていただけたときに、ご参加の皆さんが「ちゃんと動いて落ち着いている」(動くことに一所懸命で荒っぽくなって何をしているのか動作に意識が行き届かないというのではなく)という感じを、画面越しからも受けることがあります。

3)落ち着くことを怖がらないマインドを得られることのメリット(あるいは、苦労嫌いの疲労依存からの脱却)

「落ち着くことを怖がる」とへ奇妙な表現に思われるかもしれませんが、「何かしていないと落ち着かない」という言葉があるように、人は自分で思う自分の価値や精神的・感情的な状況を身体行動に転嫁させることがあります。

本当の望みは「何かをして落ち着きたい」であるにも関わらず「落ち着かないときには、落ち着きなく体を使う」ことを常態化させてしまったりするのです。

自覚がある場合はまだよいですが、自覚もないままに常態化すると「からだが私の言うことを聞いてくれない」「してもしても、自分には何かが足りていない気がする」という感覚が自己認識となりがちです。

こうした感覚は、多少の差はあれ、どなたの中にもあるような気がします。

そうした、常に震えるように動いている何かが「普通に(特別なセンセーション抜きで、不意に)落ち着いていく」のをワーク中に感じることがあります。

ワークを繰り返していく中で、私自身も普段自分がよく気にしている身体部位以外にも意識を向けたり、お伝えすることを思いつけるかしら…と心配しながら星座のことを調べたり、考えてみることをする中で「落ち着く(集中する。余計なことと大事なことの見分けがつく)」ことに慣れていった気がします。

単純ですが、落ち着いて行ったことの方があわただしく行ったことよりもうまくいくことが多いです。内容も濃い(豊か)です。

このワークがそういうことの練習になればうれしいなと思っています。

★このワークの特徴

その回ごとにテーマとなる身体部位とアプローチは違いますが、共通して心がけているのはこのようなことかと思います。

1)身体と意識をつなぐ

2)「やってみる」ことで体調の目安を得る&穏やかに体調を整える

3)心拍数と血圧をあげずに血行を促進し、脳の疲労をいやし呼吸や筋肉のしなやかさを回復させる

ほとんどの動きは立つこともなく、座ったり寝転がったりした姿勢で行います。

「落ち着く」ことに慣れていない人が落ち着き始めると、それは当初「眠気」として感じられることがあります。どうかそのことをタブーとしないでください。ワーク中寝てしまっても構いません。内容を確かめたいときには「録画」もあります。復習中に寝てしまっても構いません。繰り返すうちに、緊張や責任感に頼らず穏やかに意識を保てるようになります。

まだまだ書こうと思えばいろいろあるのですが、「試してみようかな」と思っている方にも、これまでご参加いただいている方にも参考になるものであればうれしいです。

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