えこひいき日記

2001年1月10日のえこひいき日記

2001.01.10

昨年の10月、福岡で仕事をしたときに、大宰府天満宮近くの骨董屋さんで桃山時代のものというふれこみの銅製のウサギの香炉を購入した。衝動買いである。まったく、仕事しに行ってんだか散財に行ってんだかわからないような出張であった。でも、ほんとにほんとに欲しかったのである。私には骨董収集の趣味はないし(嫌いじゃないけど)、狙ってお店に入ったわけではない。出会っちゃったのである。かくして、パソコン一台分くらいのお値段のその香炉は私の「養子」になった。
普段から私の生活にお香は欠かせないものなのだが(小学校6年生くらいからポプリ作りや調香をやっているからな。当時は「ばばくさいこども」と言われたものだが、最近ではアロマテラピーがブームということもあって「おしゃれ」などと賞される。いい時代になったもんだぜ。)、普段はもっぱらスティックタイプやコーンタイプの物を使っている。だから香皿なんかも小さいものを使っているのだが、思い立って(新年だし)、ウサギの香炉君をデビューさせることにした。香炉にはあらかじめ半分くらい香炉灰が入っていた(これは桃山時代のものじゃないよね?!)。準備は上々。で、スティック状のお香をたててみたのだが、なんか違う。やはりこの子にはちゃんと炭で焚き上げるお香が似合う!と思った私はその足で近くの「物欲の殿堂」(デパート)に向かった。
実は、自分で炭を使ってお香を焚くのはこれが初めてである。小さな炭、その炭をつまむためのはさみ、さまざまな練香や香木。なんというか、じつにかわいらしい。おままごとの道具のようだ。それらをいそいそと買い込む楽しさ。散財といえば散財だが、こういうお金の使い方こそお金を使う楽しみとも思う。
本格的に焚く香のかおりは、いつもより長く深く部屋の中に残って漂うようだった。こうして私の自己満足の夜は更けていくのである。

カテゴリー

月別アーカイブ