えこひいき日記
2001年1月26日のえこひいき日記
2001.01.26
事務所のインテリアを気に入って、まねなどしてくださる方が結構ある。おもばゆい、うれしいことである。(ぺこり)
私自身の理解するインテリアは、「装飾」から最も遠いものである。飾ることにはあんまり興味がない。もちろん、いわゆる飾り物、置物と呼ばれるようなものもたくさん所持しているのだが、それは飾ることが目的なのではなくて、それがその空間にあってくれることで、ちょっと暮らしやすくなるというか、そういうものなのである。実用品に関しても、それでなくても用は足りるんだけど、それで用を足すことによって、その行為そのものが心地よく楽しくなるようなもの、そういうものなんである。
インテリアの影響力を実感したのは、ニューヨークに住んでいたとき。当時、私は家具やリネン類がついている部屋に住んでいた。いずれ日本に帰るつもりでいたし、家具の購入や引越しの際の手間が減ってよいと思ったのだ。確かに、基本的に生活用品がそろっているのだから、困ることはなかった。
しかし半年くらい経ったときに、どうにも体調が悪くなってしまったのだ。なんともいえないだるさがからだを被っていて、何をする気にもならない。ちょっとした用事をするのにもすごく決心が要るというか、力を振り絞る感じなのだ。ちょうど疲れが出やすい時期というのもあったとは思うが、その「疲れ」の要因にこの部屋の佇まいがあったことに気がつくのに、そんなに時間はかからなかった。用はしっかり足りるんだけど、自分の趣味じゃないものにも囲まれての暮らしは、どこかいかにも「こしかけ程度」といった感じになっていて、どこか落ち着かないものだったのだ。
さっそくベッドカバーを変え、家具の配置を変え、若干のお気に入りの食器を買い足した。なぜかその部屋には大量の絵画が壁に飾られていたのだが、それもほとんどはずした。(どこかで「うごかしちゃいけない」みたいに思っていたのである)
それで、驚くほどらくになった。室内という、小さな空間の中だけれども、視界が開ける思い。
部屋(インテリア)というのは、とりもなおさず、そこに住む人の延長なのだ、と痛感した次第。まさにインテリア(内面)なのである。
京都で仕事をするようになってからは、まあ、基本的に好きにさせてもらっている。照明のつけ方一つで腰痛が悪化したり軽減したりに影響もするんだから、あなどれないよん。