えこひいき日記
2001年12月4日のえこひいき日記
2001.12.04
ついに12月。今年も残すところ4週間を切りましただ。
さて、寒くなると暖かく、若干こってりしたものが食べたくなる。例えば南極や北極、シベリアなどの極寒の地に赴いた人がバターをスプーンですくって食べるというように、チベットなどの高山に登山に行った人たちが土地の人に習ってバター茶を口にするように、普段の食生活のパターンになくても、私のカラダは「あったか乳製品」を欲しがるようになる。私の場合、それはカルボナーラなのである。私は普段、ヨーグルトは食べるが牛乳は飲めないし、チーズも嫌いではけしてないがたくさん食べる方ではない。生クリームも、たくさん食べると気持ちが悪くなるか、お腹をこわしてしまう。アイスクリームも嫌いではないが、やはりたくさん食べると気分が悪くなることがある。というわけで、普段乳製品と親しみ深い生活を送っているとはいえない私なのだが、冬のカルボナーラだけは別なのである。さらに付け加えるなら、私はパスタにおいてトマトソースを偏愛しているので、それ以外を作ったりオーダーすることは、まずない、と言ってよい。カルボナーラに入っている塩漬けの豚肉(ベーコンみたいなやつ)も、実は苦手なのだが、冬だけは別なのである。
というわけで、先日Iという京都では有名なイタリア料理店に行って、ついに、栗を練りこんだ自家製のパッパルデッレ(太くて短く薄いパスタ)にキノコをあわせたカルボナーラを食べてしまった。すごーくおいしかった。そのお店はたまたまオーナーの女性が私がこっそり飲みに行くバーの常連さんであったりして、開店当初から名前を知っていたのだが、あっという間に有名店となり、予約を取るのも難しくなってしまったので、これまでなんとなく行く機会を逸していたのだった。しかし極私的に「カルボナーラの冬」を迎え、シビエと呼ばれる鹿やウサギやホロホロ鳥もおいしくなってくる季節、本格的ながらカジュアルにおいしいイタリア料理を食べさせてくれるというそのお店に「行ってみたい!」という欲求をかなえるには絶好ということで、予約を入れて行ってみたのだった。前菜の盛り合わせと、パスタを2種類と、鴨肉の料理を2人で食べたらお腹いっぱいになってしまったので、デザートを食べる胃の余裕がなくなってしまったが、今度はデザートも食べるぞ!と誓うのであった。
でも一応「カルボナーラの冬」に対する欲求は満たされてしまったので、今度いつ食べられる体調になるのか、それはわからないのであった。