えこひいき日記

2006年6月28日のえこひいき日記

2006.06.28

食生活が「ほぼ玄米菜食」になったのは昨年の8月あたりからだったのだが、なぜだか分からないが体重が増加してしまった。腹いっぱい喰っちゃってるからよくないのかもしれないが、しかし腹いっぱい喰っちゃうのは菜食以前からのことだ。若いときに行ったダイエットの経験からいうと、菜食中心になれば体重は減少傾向に移るはずなのに、体重だけは減らないどころか、なんと増加してしまったのである。周囲の方はあまり気がつかないようだが。
ただ、体重増加の驚きを除けば「ほぼ玄米菜食」にしてから体調はよいように思う。私はもともと呼吸器系も弱く、風邪などをひいて軽く体調を崩すときは決まって喉から来るタイプである。その傾向は今でも変わらないのだが、この1年くらいは年末を除いて体調を崩すことはなかった。もっともそれは食事のせいだけではなく、(以前から使用していたが)空気清浄機や、冬場の加湿器で仕事場の環境をケアした効果もあるのかもしれない。
しかしやはりこのことは食生活の影響が皆無であるとも考えにくい。私はここ15年くらいは便秘というものをせずに済んでいるが(精神的ストレスが少なめなことと、もともと基本的に玄米食であることと、生活パターンがほぼ安定しているせいなどがあるだろう)、現在の食生活になってからはさらに消化器の状態が安定したようで、尾篭な話で申し訳ないが最近では食後に必ず排泄がある。またトイレでの排泄とは違うが、食生活を変え始めたときには皮膚の状態に変化が出たことがあった。やたら痒みがでたり、顔の皮膚がぽろぽろむけたりしたのである。ただそれは一時的なもので、治りも早かった。私はもともと皮膚が弱いほうなのでさまざまな皮膚トラブルの経験があるが、そのときの痒みや肌荒れのように痒さやかぶれ、乾燥がひどくなる経緯をたどるのではなく、なんだか代謝が促進されたような感じの変化であった。断食による食事療法やデトックスの経験者の中には、同様の痒みなどを経験する方が多いようで、その部類だろうと勝手に思っていたりした。
もしも「ほぼ玄米菜食」という食生活が断食やデトックスの目的の一つである体内浄化的な効果を持つのだとすれば、私の体重増加や体調の安定はそれによって栄養の吸収がよくなったせいなのであろうか。それとも年齢的に単に太りやすくなっただけであろうか。
確かに私は普段一切スポーツ的なものを行わないので、厚生労働省的な基準から言えば運動不足の部類かもしれない。しかし幸い肥満になることもなく、からだが硬くなることもなく、時々運動のようなことをしても筋肉痛にもならない状態ですごしていたので、たかをくくっていたところもある。悪い状態ではないにせよ、多少筋肉が衰えてきている感触があるのは否めない。ビールマン・スピンみたいな格好とか、できなくなっちゃったし、床に腹ばいになった姿勢から状態をそらして膝を曲げたときに、以前なら頭と足の裏が付いていたが今はもうつかないしね。こういうベーシックな柔軟性プラス筋力を必要とする動きが出来なくなってしまっていることは確かなのだ。
脳も筋肉も「エネルギーをくう奴」には変わりないのだが、消費パターンが異なる。私の場合のような体重の増加と部妙な筋肉の衰えを考慮した場合、加えてみる運動はいわゆるサーキットトレーニングがよいかな、と思ったりする。無酸素運動系の筋力トレーニングと有酸素系のムーブメントを繰り返すことで、マッチョにならない程度に筋肉に刺激を与え、筋肉のカロリー消費率をアップさせる作戦である。

さて、そこでお題になるのが「適切な筋力トレーニングとは」というお話である。
仕事上、様々なお仕事、様々な身体状況のクライアントと接してきて思うのは、トレーニングやエクササイズというものは画一的に行えばよいものではなく、その人の身体状況や癖を踏まえた上で行わなければ効果的ではないどころか、中には逆効果(どこかを傷めてしまったりなど)になる場合すらある。
例えば、フィットネスやハードなスポーツを行っている方などになりがちなのは、筋力は強いが関節の使い方や動作の連動が十分ではないために筋肉そのものも硬く、縮むような動作ばかり起しやすいという傾向である。そのような方からレッスンの中で相談を受けた場合、いつも行っているトレーニングを続けながら改善を進めるにあたっては、「不要な力加減を正確に認識し、関節の動きとのカップリングで筋力トレーニングを意識してもらう」、つまり「力を抜く」ことが最初のメインテーマになる。具体的にはそのクライアントさんがどのような身体イメージを持ち、どのようなスポーツを行っているかにもよるが、知らないうちに過度に無酸素運動的な動きにばかり頼り、疲労を起しやすく柔軟性に少し劣るところがあった動きを改善していくことがレッスンのポイントになる。疲労条件に慣れすぎてしまっていて鈍ってしまっている身体感覚を目覚めさせることもポイントの一つとなる。
一方で、動作の際に適切に筋力に頼れない人もいる。例えばある種の武道やスポーツ、ダンスや楽器演奏を習っていて、自分の先生から「力の入れすぎ」などを繰り返し指摘されてきた経験のあるクライアントさんの中には、「何が“力の入れすぎ”なのか」を考えるよりも、「力を入れること(入っているんじゃないかと思う動作を行うこと)」に恐怖してしまって、「筋力を使うこと」を「悪いこと」のように思い、適切なからだの使い方が出来なくなってしまう人もいる。正確に状況判断ができる感性を磨くのではなく、少し短絡的に善悪判断に走ってしまった場合には良くあることではあるが、ある程度アレクサンダー・テクニックを習った人の中にも、まるではしかのように「力を使うことが怖い」という「根性なし」状況を経験する人がいて、「こまったねー」という場合がある。大きく力んではいないものの、自分の身体能力を自分の意思でつかえない状態ではあるので、それはあんまり望ましい状態とは言えない。また、力を使うことを恐れずぎるひとは、目立ちにくいが潜在的にやはりまだまだ力んでしまっていることが多いので、目に立つ筋肉の力みの改善よりもさらに繊細なレベル(精神的なことも含めて)でレッスンを進める必要がある。見た目も一見筋肉質でもなく、細くて「弱そう」に見える場合もあるので、見た目のイメージで判断しても指導を誤る可能性がある。

ともあれ、自分のからだの状態を考えた場合、私が目指すべき筋力トレーニングは「関節の動きをリミットしすぎない範囲を守ること」「30秒程度のインターバルで集中すること(多分、腹筋とか背筋みたいな動きだと通常15回程度)」「30秒集中的に筋肉にコントラクションを与えた後は、やはり30秒くらい呼吸をゆったりさせて行うストレッチやバランス力を重視した運動を入れてみる」というような程度で、特に動作として変わったことをするわけではないが、どんなもんになるか、どういう組み合わせの運動が自分で気に入るものだか、やってみようと思う。
ほぼ個人的人体実験ですね。

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