えこひいき日記
2008年1月10日のえこひいき日記
2008.01.10
突然ですが、髪を切った。ショートにした。かれこれこの3,4年くらい、「私服が和服」になっていたのに合わせて髪を伸ばし続けていたのだが、突然飽きたのである。
年末に毛先をそろえてもらったところではあったが、いきつけのサロンに予約の電話を入れ、「短くしてください」と言ったらちょっと驚かれた。しかしながら、驚きつつも担当の方は冷静で「何年くらいロングでしたっけ?」「いつもは後ろで縛っていましたよね?」などなど状況を確認してくださる。これにはわけがあって「ずっと後ろで縛るヘアスタイルをしていると、髪の毛がそちらに引っ張られ続けるので、毛穴が後ろを向いてしまう。そのせいで本来渦を巻いてるはずの毛の流れが全体的に後ろ向きになり、いきなりショートにしてもしばらくヘアスタイルが決まらないことがある」からだそうだ。なるほど。加えて私はくせ毛だし、なかなかやっかいなのだ。そのようなカウンセリングの結果、当初はベリーショートにしてやろうかと意気込んでいたが、わりかし穏やかめな(?)ショートに落ち着くことになった。
「だんだん短くする女性は多いですが、思い切りましたね」などといわれたが、考えてみれば私の行動って、そういうの、多いのかもしれない。髪の毛については、くせ毛ということもあって、ロングかショートでないと落ち着いてくれないという条件があるし、髪の毛は突然短くはできるが突然長くはなってくれないので、いつも「突然切る」ことでしか髪形の変えようがないのだが、そういう物理的条件を除いても、私は思ったことは即やりたくてしょうがないほうなのである。それがすべて大成功だったというわけでもないが、意外と後悔したこともない。能天気なだけだろうか。
髪を短くすると、髪の色を変えたくなった。髪の色もまた、和服に合わせてずっとカラーリングなどしていなかったのだが、短くなった黒髪は長いときよりもどこか重い印象だったのだ。不思議なものである。長いときはそれでよかったのに。その足で閉店間じかのドラッグストアに駆け込み、ヘアカラーと、スタイリング剤を購入。
髪を切り、髪の色を変え、スタイリング剤を変えること。それらの一つ一つは小さなことかもしれない。でも、どれかひとつだけをやっても、やらなくても、気持ち悪いんだろうな、などと思う。一つを変えると、ほかの何かも変えなくてはいけなくなる。でもそれは「変える」ためではなくて、ある意味「変わらない」ため、「私」を「保つ」ためなのだ、などとも思う。私は「私」でしかない。どうしようもなく。だから鏡の中の自分の姿を見ても、私は驚かない。もちろん、変わったとも思うのだが、同時に、変わらない、とも思う。それがいいことなのか、わるいことなのかはわからない。そういう感じを希望と呼んでいいのか絶望と呼んでいいのかも、わからない。でもたぶん、これが「日常」なのだ。「私」の。