えこひいき日記
2014年2月14日のえこひいき日記
2014.02.14
術後10日目。退院日決定!18日の予定に。入院当初は一応「23日」だったのだが、そこまで行かないだろうとは思っていた。それに、24日からはもう仕事復帰だし、早めに帰れるほうが日常生活リハビリもした上で復帰できるのでありがたい。
とはいえ、退院が決定するまでには小さな波乱があったのだ。
昨日のリハビリで、担当の理学療法士さんから「大変いい調子なので、退院日を早める相談を医師としてはどうか」との言葉をもらった。「好調」なのも嬉しいし、「退院」も嬉しい。真っ先に浮かんだのは猫のこと。一旦「退院」の二文字を意識してしまうと、私の中の猫成分欠乏は意識せざるを得ないまでに膨らんだ。
夕方に病室に様子を見に来てくれた担当医師に「理学療法士さんからこういってもらったので・・・」と話をしてみた。術後の治療方針においては、理学療法士さんの意見はかなり重要で、看護師も彼の指示の基に世話をしてくれている。「今からちょうど理学療法士とカンファレンスなので話を聞いてみますね」ということで医師は去っていった。
そして夜、看護師さんが様子を見に来てくれて言ったのが「えっと、早期退院を希望を理学療法士さんにされたのですか?」であった。これはちょっと違うので「いえ、むしろ理学療法士さんからご提案をいただいて・・・」と話すと、「あ、じゃあ、芳野さんとしては早期退院はどっちでもいいという・・・」というので「いやいや、もちろん早く退院できるならありがたいです。でも、回復具合を無視してまで退院を望んでいるわけではありません」というと「あ、なるほど、はーい」みたいな返事で看護師は去っていった。
この会話に、自分でも意外なほど気落ちした。
自分の中ですごく「里心」がついていることがわかった。患者にとって「退院」の意味は小さくない。医療者側にとっては「業務手続き」の一つに過ぎないことかもしれないし、このずれた会話だって悪意とかなんとかじゃなくちょっとした「さしすせそ」ミスだって想像がつく。でも、患者としては一旦「退院」に期待を持ってしまったものを否定的に言われるとなかなか辛い。入院生活で起こるあれこれや、痛みも、避けては通れないことと割り切って自分の表面に並べてはこなかったけれど、ストレスが無いわけじゃない。そのことがこんなことをきっかけに感情的になれることをして、それを知る。
なんか、がっかりしたので眠ることにした。9時半ぐらいに寝ちゃった。
で、午前2時前にむっくり起き上がって、男子フィギュアを見ることにした。「眠る」って偉大だ。気分が幾分和らいでいた。面白くって、明け方まで全部見てしまった。
フィギュアを見てけっこう気分がすっきりしたせいもあって、もう一度順序だてて看護師さんに事情を説明した。さらに回診に来た院長にも伝えた。そうすると、今度は院内の「さしすせそ」がうまくいったのか、「18日」という日にちが提示され、ほぼ決定に。ああぁ、なんだったんだ。でも、よかった。一件落着。
リハビリでは、筋肉チェックのあと、エアロバイクのグレードを少し上げて10分間、ボールワーク、さらに脛でマシンが作る負荷に抵抗する、というリハビリが行われた。左脚が今出せる力は普段の5分の1。「好調」なんていってもこんなもんだ。なんてこった。でもまあ、これで正しい。