えこひいき日記
2014年5月25日のえこひいき日記
2014.05.25
「筋力を戻すのは大変ですよ」と医師も理学療法士も言う。
その言葉にたがわず、現在手術した左足の筋力は右足の約半分。リハビリの度に簡易測定があり、わずかながらも右肩上がりの数値を示していたのだが、先日一度だけ数値が下がったことがあった。
「だめじゃないですか!」と理学療法士に怒られた。私を担当してくれている理学療法士は熱血なのだ。筋力が戻らないとどのように危険かを滔々と説かれ、一日100回のスクワットが課された。
私の筋力が一時的に下がった主なる原因は、たぶん、月経前の体調変化によるものだ。毎月たいていへろへろになる。そのように自分でも原因と思われるものがわかっているのだが、「だめじゃん」と言われるとへこむし、反射的にまるで自宅では何の努力をしていない、といわれたような気分になる。その気分の波をかぶると、思わず仕事の忙しさや大変さを盾にしたくなる自分が出てきて、自分でも驚いた。「いろいろあるのに、そんなこといわなくてもいいじゃない」みたいな。
だが、まてよ、ともう一人の自分が言う。「するってぇと、なにかい。仕事頑張って、介護の手伝いしてるから、それに免じてリハビリしなくても筋力あげちゃいましょ、って神様みたいなひとが言うと思う?」いわないよねー。それとこれとは別。しないものの成果が手に入るわけはない。
スクワットはしゃがむのも立つのも「5秒ぐらいかけるつもりで」行う。実際には5秒より短いと思うのだが、その動作を50セットやって、だいたい5分間くらい。100回のスクワットは10分ほどで終わる運動だ。
そう考えると、膨大な時間をこの日課に割くわけではないのだが、しんどい、と感じることが多かった。動作がしんどいのではない。動作はきつくない。チューニングだ。モードをかっちり変えること。10分間、このことに集中する気持ちのチューン。集中力。ぐだぐだ自分に言い訳せずに、ほかの予定とか考えずに、やってみること。
集中力。こんな些細なことの中ですらも、欠ければ成しえないことがある。こんなところにも顔を出す、集中力。
100回のスクワットを10日間欠かさずにやってみた。朝50回・夜50回というやりかたでやってみた。朝は朝食前後に行うのだが、夜の50回は時間がまちまちで、夜中の2時くらいにやっていた日にはさすがに「あれ?自分は何をしているんだろう」みたいな気持ちになった。
結果、筋力の数値は上がった。飛躍的にではないが、数値自体が上がり、持久力がついた。もちろんこれで終わりじゃない。まだまだこれから。
筋力が上がってみると理学療法士には「あまり無理しないでください」と言われる。「夜中にスクワットなんて、しなくていいですよ。午後8時以降はしなくても」などと言われる。
うーん。午後8時…それ以前にフリータイムなんて作れるか?!ということは、朝まとめて100回やっちゃえ、ってことか?!
まあ、様々なことが頭の中を交錯するが、やれることを積み重ねるしかないのだ。