えこひいき日記

2014年10月25日のえこひいき日記

2014.10.25

最近、病院でリハビリをしていると知らない方から声をかけていただくことがしばしば。
「すごいですね」って。
やっぱ、なんか「すごい」んやね、私のリハビリって。
どうやら私の担当トレーナーの野望は「11月の診察で担当医に満点をもらうこと」みたいで、その目標自体に何ら異論はないのだが、メニューがなかなかハードになっているのである。片足で椅子からの立ち座り30回した後に、廊下をランジで一往復して、いつものメニュー…って、そこそこきついっすよ。

先日、メニューの最後の体幹トレーニングをしていた時に、隣のベッドの女性と目が合った。「あ、どうも」みたいな感じで会釈をした。「すごいですね、さっきの(バランスワーク)見てたんだけど、背筋がきれいに伸びて、すごいわぁ」とのお言葉。「あ、ありがとうございますー」と、体側を鍛えるポーズのまま答えていると、その方はおもむろに自分の担当療法士に向き直り、「ねえ、あれ、やってみたい」と私のほうを指す。
軽くうろたえる担当療法士と、にやにや笑う私のトレーナー。
「い、いや、あれ、見かけよりきついですよー」と苦笑いする療法士をからかうようにトレーナーが「そうですねー、これにチャレンジするんだったら、まず●●先生に見本見せてもらわないとね」と応じる。あ、やっぱりこのメニューが「きつい」という認識はトレーナーにもあるんだ…と妙に安心した。
ちなみにこの女性は80歳前だという。リハビリという、普通に考えたらつらい回復運動をする場所にあって、「やってみたい」などという発言が出るのはなんだか感動的だな、と思った。「やってみたい」と思ってもらえるくらい、楽そうに見えたのならなお嬉しい。私がどういう仕事をしているとか、知らない人がそう思ってくれるだ、と思うと、やっぱり嬉しい。

話は変わるが、猫を保護してしまった。
知人の務めるビルの監視カメラに猫が写っているんだけど・・・という話を聞いたのが約1か月前だったか。1匹だけで映っていて、まだ小さい。ビルは改装中の階があって危険だし、1階には食品を扱う店も入っていて、このままでは猫・人間、あるいは管理者・テナントにとって良い感じにはならないだろう・・・とのこと。カメラの映像や、ビルに人の話だと、人になついている様子はないし、どうするか…と思案していた。
ネットで調べてみると、猫の捕獲・保護を目的に捕獲機をレンタルしてくれる動物愛護団体もあったが、いかんせんレンタルしてもらえるまでそこそこ時間がかかる。ええい、と決心し、自分で捕獲機を購入。その他もろもろのグッズをたずさえてビルを訪問したのが10日ほど前。
いわゆる「猫を拾う」のではなく、「捕獲する」なんて初めてのことだ。捕獲機を使用するのだって初めて。ドキドキである。緊張する。管理人の案内で猫の出没が確認されている場所を教えてもらい、捕獲機を仕掛ける。「こんなんで入ってくれるのかなあ。エサがダメになる前に、2日おきにはエサを換えないと…」などと考えつつ帰路に就いた。
心配をよそに猫はあっさり御用となった。捕獲機設置の翌朝、電話がかかってきた。「あの、猫が(捕獲機に)入ってますけど…」あまりの急展開に慌てつつも、保護用のケージを組み立て、「すみません、仕事の関係でそれが終わってから引き取りに行きます」と連絡し、それまで猫の様子を見ておいてもらうように管理人さんに頼んだ。
夕方猫を引き取りに行くと、猫は全身から火を噴く勢いで怒っていた。無理もない。怖いだろうし、わけわかんないだろうし。それにしても小さい。でも、4,5か月という感じか。その月齢で、もしも人間と触れ合う機会が全くなかったとしたら、人馴れして飼い猫になってくれる道のりは長くなるかもしれない、と思った。猫や犬が自然に人間やほかの動物に親しむクリティカルピリオドは長くない。さて、どうなるか。
ともあれ、獣医に診せるのが先決だ。ノミなどの寄生虫がいることが考えられるので、室内に保護するにしてもその駆除を行ってからである。なんとかキャリーに移ってもらって(「移す」というより「逃げそうになったのが偶然キャリーに入った」というのが正しい)タクシーで動物病院に搬送。
「興奮状態のまま、いろんな検査を進めるとショック死することもあるから」とのことで、最低限の害虫駆除を全員革手袋装着(引っかかれたり噛まれたりする恐れがあるので)で敢行し、再びタクシーに乗って自宅に到着。用意した2段ケージに入ってもらう。まだ性別も確認できていないその猫は、すみっこに隠れて怒っている。

ところでうちには現在2匹猫がいる。1匹は3年前にうちの子になったアビシニアンの奏(そう)、そして2匹目は今年3月にうちの子になった、同じくアビシニアンの楽(がく)である。ふたりとも男の子で、ふたりとも前の飼い主さんが手放されたのを縁あってうちにやってきた。(ちなみに次男・楽がうちに来ることになった経緯は、フェリシモ猫部さんが出版された『猫が教えてくれた大切なこと』に載っちゃってます。よかったらご覧ください)
猫は好奇心が強い。今朝、2段ケージを組み立てているときからヤジ猫状態であったが、捕獲猫のキャリーが室内に運び込まれると、やはり周りをうろうろしている。しかしその態度は相手を威嚇するでもなく、排除するでもなく、怖がるのでもなくて、純粋に「好奇心」、これなに?、なのである。落ち着いた猫の態度はニュートラルでよい。
中に入っているのが子猫で、お取込み中だとわかると、彼らはさっさとケージの周りを離れた。そしていつもの場所で自分たちのご飯を食べ、やや控えめなテンションのように思えたがいつもの遊びなどをしていた。彼らのニュートラルな態度に、人間である私はむっちゃ助かったのであった。

子猫の態度が劇的に軟化したのは3日目だった。それまでは、存在を消し、目が合わないようにし、たまに合うとシャーシャー言っていた。でも、ご飯はしっかり食べてくれていた。トイレの使い方も最初から完璧。お腹にいた虫さんも2日間ですっかり出てくれた。便の中にはラップのかけらのようなものも交じっていた。やはりどこかで残飯を食べていたのだろう。無事排出されたからよかったが、ラップがどこかに詰まったりしたら大変なことになる。ぞっとする。
ともあれ、ここは暖かいし、ご飯も出てくるし、トイレも掃除されるし、猫も人間も危害を加える様子がないことはわかってもらえたらしい。3日目になって、目が合っても首をすくめたままこちらを見るようになった。手を近づけると匂いを嗅ぐようになった。猫はものすごい近眼なので、視覚より嗅覚で相手を確認する。よい傾向である。
4日目、触れても大丈夫になった。体を拭いてやり、ご機嫌が麗しいのを幸いに、早速獣医師に診せに行った。血液検査、ウィルスチェック、ワクチン接種と、避妊手術の予約をした。血液検査とウィルスチェックの結果はめでたく陰性。晴れてケージの外にも出してあげられる。少しずつイエネコとしての訓練をしてもらわねばならぬからね。
5日目から1日に2回ほど、1時間から数時間ケージの外に出すようにし始めた。運動不足にならないよう、自由にしてもらう意味もあるが、ゆくゆく里子に出ていく際のために人間の生活環境や環境音(人の足音やテレビの音、水音など)に慣れておいてもらう意味もある。
ケージから出た子猫が最初にしたことは、お兄さん猫たちへのご挨拶。おしりを相手に見せて匂いをかがせることである。この子はなかなか賢く、状況判断が早い。年功序列やそれぞれの性格を素早く察知している様子である。次男の楽とはすぐに仲良くなり、取っ組み合いごっこなどもするようになった。楽の後をついて回り、食べようとしたごはんの皿にもすぐに顔を突っ込んでくるので、「ハイパー」と呼ばれたさすがの楽もうざそうにしているときがある。子猫ってパワーあるからなー。

というわけで、子猫さんの里親さん募集中です。よろしければ以下をご覧ください。

仮名「ひめ」 5か月の女子 2014年10月現在2.2キロ
血液検査・ウィルス検査 陰性 1回目のワクチン接種済み 11月初旬に避妊手術予定

大人猫さんとも仲良くできますし、落ち着いたら人間にも甘々の、賢い子です。何でもよく食べます。トイレも失敗なくばっちりできます!
猫と人間の幸せのため、里親ご希望の方には家族構成や住環境、動物と暮らした経験等をお伺いします。立ち入った質問もさせていただくかもしれませんがご了承ください。
こちらへのご質問がある場合も遠慮なくどうぞ!

*里親様へのお願い*

完全室内飼いで、終生飼育でお願いいたします
必要に応じて適切な医療を受けさせてあげてください
やむを得ない事情で一緒に暮らせなくなった場合、困ったことが起こった時は、一人で抱え込んだりいきなり保健所に持ち込んだり捨てたりなさらず、当方や適切な相手(行政、病院、動物保護団体等々)にご相談ください。そのような社会性をお持ちの方をお待ちしております。

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