えこひいき日記
2001年3月10日のえこひいき日記
2001.03.10
桃の節句も過ぎたというのに、ここ数日はえらい寒の戻りである。昨日とか、その前の日は雪が降った。
石けんを作り始めたのをきっかけに、同じ本に載っている洗髪用のリンスをお酢とハーブで作ったり、化粧水を作ってみたりして、自分なりに「実験」しているのだが、なかなか楽しい かつ 具合がよい。こんなシンプルな材料で、こんなに気持ちがいい(効果的な)のかー、と驚くのだが、市販の化粧品との最大の違いは品質の長期保存が利かないことかもしれない。石けんは1年以内に使い切ることが原則だし、化粧水も1ヶ月が「いのち」。文字通り「日々のもの」、日用品、消耗品なんである。でもだからこそ1年以内とか1ヶ月以内というのは全く問題にならないし、ものの「かたち」は消えるけれど、効果?は身になる。使い心地がよいからこそ、その気持ちよさの持続を願うのは人情なんだが、だからといって使い惜しみは「げんきん」なのである。
いつぞやの日記にも書いたが、私は肌が強いほうではなく、すぐ荒れたり、かゆみが出たり、湿疹が出たりする。ここ2週間くらいは睡眠時間も短く(普段、私は眠らないと、だめなんである)、胃は痛くなるし(消化器系も強くはない。高校生の時には癌に間違われるくらいの神経性胃炎になったりした)、基本的にへこたれ気味で、特に朝は血圧が低いせいもあって「へたれ度」は最高潮で、つい数日出勤前に立ち寄ってくれた父があまりのへたれ様に絶句していた(目の下に湿疹ができ、声はかすれて出ないし、歩くとふらつく)くらいだった。
だけど、私は「頻繁にへこたれて頻繁に復活する」人間でもある。へこたれることは全然welcomeなことではなし、ほんと、しんどいんだけれども、だからといってそれがそんなに邪魔や苦にはならない。そして個人的には、どうも「頻繁に倒れて頻繁に復活する」傾向は年々スピードアップしているような気がするのだ。自分で言うのもなんだが、タフになったもんだと思う。以前なら、絶対「しんどい」と感じた時はもう手遅れで、寝込むしかなかったもん。
手前味噌に自分の仕事の宣伝をするようでこころぐるしいが、その傾向はアレクサンダー・テクニックというものを知るようになって格段に強まったように思う。
結局「わたし」という名の「状況」というのは、日々のことからしか生まれない、ということかもしれない。言葉にするとつまらないほど「あたりまえ」になっちゃうが。どんなによい状態も、どんなにわるい状態も、そのまんま「永続」させることはできない。続くのは、続けているからなのだ。自分は何を続けているから「じぶん」なのか、それをきちんと考えさせてくれたのが私にとって、これだったのかもしれない。
「からだの使い方」なんてものは要するに「日々のこと」であって、特別なイベントではない。そのごはんの食べ方が、ものの選び方が、目の向け方が、動きが、毎日「わたし」を作ってゆく。そのことに気がつくのは「瞬間」かもしれないけれど、その「いのち」はもっと継続的なものである。
唐突だけど、ちゃんと生きよう、などと思う日々なのである。