えこひいき日記

2001年4月8日のえこひいき日記

2001.04.08

思えば5日もこの「日記」を書かなかった。その間、どうしていたかというと、どうしていたんだろう…仕事して、そして風邪をひいたのだ。今年に入ってから3度目の風邪である。しかし症状自体は軽いものだったので、なんということはないはずだったのだが、ある追い討ちがあって、2日くらい前から声が出なくなってしまった。

「ある追い討ち」とは「たばこ」である。私はたばこがほんと、だめなのである。だから自分では吸ったことがないのだが、同じ空間に居合わせる以上、空気は喫煙者と共有することになる。しかし日本の喫煙者人口は相当なものだから、それなりの「免疫」もできていて、いつも超・不快な思いをするわけではないのだが、こちらの体調が悪いときには匂いをかいだだけで吐き気がするし、ほんとうに吐いてしまうこともある。私の友人にも喫煙者はいるし、喫煙者であることを理由に交友関係を絶とうとはさらさら思えない人たちだから、「人」にうらみはない。でも私と「たばこ」はこれ以上距離をつめられそうにない。
今回の場合は、先日たまたま座ったレストランの席の後ろの団体がけっこうヘビースモーカーだったらしく、こちらにももくもくと煙が責めてきて、ごはんを食べ終わる頃にはすっかり喉が痛くなっていた。いつもそうなるほど私もやわではないのだが、喉風邪を引いていたのが運の尽きであった。
ちょうど6年前にも同じ症状になってしまったことがあった。このときは風邪を引いていた記憶はないのだが、アメリカから引越し帰国した直後で、タバコに対する「免疫」が消えていたらしく(ニューヨークでは、まず室内でタバコを吸う人間はいなかった)、ある研究会の懇親会に出た翌日まったく声が出なくなってしまった。

そういえば、6年前に声が出なくなったときも春で、祖父が亡くなったあとだった。祖父は私がアメリカから引越し帰国した翌日に亡くなった。私は大変祖父にかわいがられた孫だったので、家族はみんな「待っていたんだ」と言っていた。
そして今日は祖父の7回忌の法要であった。6年前と時間的に少しギャップがあるけれど、似たような体調で春を迎えるのも何かの縁かもしれない。

しかし現実問題として、仕事に差し支えるからな。なんとかせんと。喉も痛いし。

桜の満開の季節に逝くのは、西行法師ではないけれども、すこし幸福なことかもしれないなどと、ふと思った。祖父を思う人の記憶はいつも桜の花で飾られるだろうから。

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