えこひいき日記
2002年4月5日のえこひいき日記
2002.04.05
書き仕事が煮詰まっておりまする。こういう時期はなかなか苦しい。しかし避けて通るわけにも行かない。
そこでまたもや気分転換となるのだが、たまーに、意味もなく『広辞苑』を開いて読むとけっこう楽しい。実は小学生の頃、百科事典を読むのが楽しみだった。家に全10巻以上(だったと思う)の『ブリタニカ百科事典』(だったと思う)という分厚い重たい本があったのだが、それを読むのが学校から帰ったあとの楽しみだった。1冊で「あ」から「ん」まで網羅している『広辞苑』さまとは異なり、何冊にも分かれているがゆえに字が大きく、写真やイラストなども多かったことが楽しかったのだ。
それに百科事典ほどサイケデリックなものはないと思っている。このあいだ、ある編集者にそうもらしたら意外という顔をされたが、今でも私はそう思っている。だって、意味的なつながりのないものごとが、ただ「あいうえお順」という理由だけで隣同士になるなんて、辞書以外の世界にありえることだろうか。さっきもぱっと辞書を開いたら「正服」「正副」「征服」「清福」などと並んでいて、読み方はみんな「せいふく」なのだ。ちなみに意味は順に「儀式などに着る正式の服」「正と副(・・ってこれで説明になってるのか?!)」「征伐して服従させること」「清らかな幸福。精神的な幸福」とある。そんなん、この並びで使うことなんて、辞書の世界意外でありえない。カオスじゃ、カオス。あたまがくらくらしちまうぜ。
しかしだからといってどうということはなく、「あらまー、ふーん」とひとしきり思うだけ思って、本を閉じるんだけどね。
ちなみに『広辞苑』をこの並びのしばし左に進むと、「成務天皇」の次に「生命」の項目がある。それによると
「生物が生物として存在し得るゆえんの根源的属性として、栄養摂取・感覚・運動・生長・増殖のような生活現象から抽象される一般概念。いのち」
とある。
ちなみに「生物」は「生きもの。生活しているもの。一般に栄養代謝・運動・生長・増殖など、いわゆる生活現象を表すものとみなされるが、増殖を最も基本的・普遍的属性とみなすことも可能。分類学上は生物界のこと」とある。
なんか、みょうに感心してしまう私であった。