えこひいき日記

2002年9月21日のえこひいき日記

2002.09.21

ゆるやかに秋の気配である。こうなると、今年が終わるのも早いんだろうな・・・ということが実感されてくる。文房具屋さんにはそろそろ来年の手帳やカレンダーが並ぶようになった。

16日のワークショップも終わり、ほっと一息というところだ。さまざまな課題を感じるものの(時間が短かったり、場所がやや手狭だったり、それでワークショップの中であえて「しなかった」ムーブメントもあったのだが、やはりやってみた方がわかりやすかったり展開が広がったろうなあ・・と思ってみたり)、そんな中で少しでも「じぶんのからだのうごき」に興味を持ってもらえたり、再発見が会ったなら嬉しいと思う。
今回のテーマ「コンタクト」は二人組みになって動いてもらったりする時間もあった。そのことが大変でもあるが、思いも寄らない動きが次々とできてしまったりすると、それはそれでとっても楽しかったりする。しかし「そのこと」にうっかり耽溺すると、「わーっと動いて終わり」になりがちでもある。
講師的エゴかもしれないけれど、ワークショップを「楽しく」受けていただきたいと思っているが、「楽しければそれでいい」という「ただの気晴らし」が目的ではなく、「知の愉しみ」がワークショップの楽しさの本質あるべきだと思っている。何かを「知る」ことがその人の感じる「楽しさ」に通じるものでなくては、面白くない。どういうかたちでだか、わからないけれど、参加者にとってこれがその場限りに「楽しさ」ではなく、なんらかのかたちで「続いていく」ものであってほしいな、と思う。

今後のワークショップ関係の野望(?)としては、「コンタクト」をもう少し、きちんと時間をかけたシリーズとしてやってみたい・・・ということや、あとダンス・クラシック(バレエ)のテクニックを整理して「からだの使い方」をアドバイスするワークショップなどをやってみたいと思ったりしている。バレエのように伝統的で、きちんとした型があり、動作の全てに名詞が与えられているようなメソッドは「ある罠」に陥りがちである。それは「名詞の羅列および連呼」で「動作の指示」が言語的に可能であるがゆえに、「名詞」に反応することで精一杯になってしまい、「それの意味すること」を見失いがちになりことである。美しいポーズや高度な回転技などは魅力的だが、それをするために「無理をして型にはまり込む」ようなやり方しか上達の仕方やお稽古の仕方を思いつけないでいるのは、ちょっと悲しい。ちゃんと意味をわかって使いこなすと、バレエのお稽古はなかなか面白いのだ。

あと、個人的には音楽家を指導するのは面白い。私は個人的には音楽に関しては門外漢なのだが、だからこそ「音は聞こえるけれど、どうやって音を出したのかわからない(わかっているつもりでいて、実は見えていない)」音楽家のニーズに応えられるのかもしれない。上記で言ったような「型」(楽器の構え方、姿勢、運指など)を「音を出すためのポーズ」としてとらえるのではなく「出したい音を創出するための必然的なからだの使い方」として「みなおす」作業は、クライアントにとっても面白いみたいだが、私にとっても面白い。「からだの使い方」をただの「姿勢直し」としてではなく、実用的にとらえてもらったときに広がってくる世界・・・例えば、新しい曲の解釈、演奏的ニックやアイデアの創出・・・などをクライアントさんからフィードバックしてもらえるのは、例えようもなく楽しい。

さて、問題はそれらをどういうかたちで実現するか(できるか)、である。もちょっと考えてみなくちゃ。

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