えこひいき日記

2002年12月17日のえこひいき日記

2002.12.17

最近、高校生や小学生の体操選手をレッスンでみているのだが、改めて人間の「からだ」のすごさに驚くこのごろである。
それは、競技会で見せるような彼女たちの「身体能力の高さ」だけを言っているのではない。もちろん、鍛え上げられた特殊な技術もすばらしいのだが、そのすばらしい技が結構「からだの使い方」として「むちゃ」な使い方の上に「できてしまっている」ことに驚いているのだ。こんなに「からだの使い方」の効率が悪いのに、こんなすごいことを「あたりまえ」に出来てしまえるのは、驚愕である。しかも毎日の練習量だって、ただ事ではないのだ。バックブリッジや大車輪などの技を、ほとんど股関節を使わずに可能にしてしまえるなんて、人間のからだの許容力ってすごい。嫌味ではなく、まじに驚いているのである。
だからこそ、「からだの使い方」を知ってもらった上でその技に挑むと「うんと楽」らしいので、そういうコメントが帰ってくるのはこちらも嬉しい。平均台などでの技もより正確になるようだし、嬉しく思う。

それにしても、小学生や高校生のひとたちを「かわいいー」とストレートに思える自分に、何か新鮮なものを感じてしまう。それは大人(?)のクライアントを「かわいい」(?)と思うのとは、ちょっと違う気持なのだ。彼女らはすごく早くに結婚して子供でも産んでいたら、まあ「自分の子供」といってもよい年齢の人たちではある。でもそれよりなにより、「自分の次の世代」のことをわりと真剣に考えてしまうのだ、彼女たちをみていると。彼女たちがこの先どのような道に進んでも、その未来がよりすてきなものであることを真剣に願うし、より彼女たちの性能が発揮されやすい土壌(世の中とか、体操界とか、日本とかが)になっていて欲しいと思うし、そのために自分になにが出来るかな・・・などとわりと真剣に考えてしまう。これまでは、自分が成長することで精一杯だったし、これからも自分で自分を育てなくてはいけないのだが、でも!

今週末、そのうちの一人の高校生は膝の手術を行う。半年くらい前に1度行ったのだが、今回は同じ場所をもう一度手術するのである。小学生の頃からずっと膝は痛かったらしいし、好きな体操のためとはいえ、なかなか壮絶である。でも起こったことを後悔しても仕方がない。今からできることは、「努力をする」「がんばる」というのが心身ともに「無理をする」でしかない状況からの脱却を図ることだけである。トレーニングのメニューにしても、ただ与えられたものをこなすだけではなくて、一つ一つに納得して進めていくことが大事なのである。
手術のことを「心配している(不安、のような意味で)」のではないが、でも、気にはしている。2度目の手術に踏み切った彼女の気持が生きるような結果になるよう、コーチやリハビリ・チームとも協力してレッスンを進めていきたいと思っているところだ。

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