えこひいき日記

2003年10月26日のえこひいき日記

2003.10.26

なにやらわけがわからぬままに忙しい日々であった。気がついたら、1週間分のクライアントの記録が溜まっているのだった。なんてこった。一週間は7日間しかなく、どんなに忙しくても、暇でも、7日なんだ、ということがひしひし&びしばし感じられる。気を確かに持って仕事をせねばならない。

今日も、とある学校で行うワークショップの短い説明原稿をやっと送信したのだが、書けちゃえば10分で終了する原稿が、どうしても書く時間が取れず、ほとほと参った。ただ、そう書きながらも、手を動かしてしまえば10分で終わる原稿でも、文字の形になるべき想念がその形を取れる状態に自分の身を置くことに時間が必要なのだと、自分でもわかっている。別の原稿を書いたり、別のメール返信を書いていても、その短い文章のことは脳裏にある。思いついたときにそれを文字という形で掬い取れるタイミングを目で追っている。とはいえ、全くたいした文章でもないのだし、説明文くらい、適当にマニュアルを作ってしまって、どのワークショップにも毎回それを出せばいいじゃん、という自分の中の自分の意見もある。でも私はまだ既存のどの言葉にも満足していないのだ。だから馬鹿みたいに、毎回考えようとする。まるで本当に「金魚すくい」か何かをしているような感じだ。文字の形になった想念が、網にかからないときのもどかしさといったらない。自分がすごく愚かな生き物になったような気がする。でも、網を構えているしかないのだ。

ところで、ずっと以前の「えこひいき日記」にも「私の周囲では電化製品が時々原因不明の壊れ方をする。特に機嫌が悪かったり、疲れているときなどは電球が連続して切れたりする」という話を書いた。私はそのことをあんまり疑問に思わず、5年位前まで「みんなそんなもんだ」と思っていたのだが、そうではないことがわかって驚いた・・・等々を書いたと思う。

先日それに関してE大学の助教授H氏がレポートを送ってくださった。自分自身がこのような体質を有しながらもリサーチはしていなかったので、多謝である。それによると

  • 100人に一人くらいの割合でこういう体質の人間はいるらしい
  • ほとんどが女性
  • アレルギー体質であることが多い
  • 霊感やヒーリングの能力といわれるものを有することが多い
  • 低血圧、低体温、低心拍数、酸素消費量も低いことが多い
  • 先天的にこういう体質の場合もあれば、病気や技法の経験によってそのような体質になる場合もある

4番目の項目については、何を「霊感」と呼び、何を「ヒーリング能力」と見なすかによるが、(例えば、よくある話だが「自分を他者よりもすぐれた、特別な人間だと思いたがる」人間が他者の気を引くために「霊感」や「ヒーリング能力」を騙ったり誇張したりするケースがある。また、そうした感受性が皆無ではないにせよ、多分に思い込みによって本来は関係性の薄い事象を関連付けて捉えすぎていることなどもあるので、何を持ってしてそう呼ぶかは難しいのだ)性別や体質に関しては、全てあてはまっているので驚いてしまった。別の人にこのことを言ったら「まるで電球を割るために生まれてきたようですね」と言われてしまい、びみょーな気分になった。
最近の私の「電気感受性」に対する対処としては、「こまめに電化製品の電源を切ったり、電池を抜いたりする」ということで対抗している。要するに、使用中以外にその電化製品が電気というエネルギーを帯びている状態にある時間をなるべく短くする、という作戦である。どのくらい有効なのか数値的に証明できないが、私が感じる範囲ではまずまず有効だと思う。少なくとも、4回も修理に出しその度に「原因不明」といわれてしまったのノートパソコンは、使用後はバッテリーと電源を取り外す、という作業をするようになってから故障しなくなった。しかし相変わらず電球は切れるし、時々自動ドアが反応してくれなかったりはする。でもその程度の不便なのでたいしたことないといえばたいしたことはない。修理代がかかる電子機器の故障が減っただけでも、助かるというものだ。
確率的に100人に一人くらいだから、特別に希少というわけでもないが、一般的というにも至らず、それゆえに自分自身にとっても他者からにしても「意図のはっきりしない奇妙な興味の的」になりやすいことだが、まあ、大騒ぎするようなことではないのだ。原因も解明されていないし、どうしてこのような体質が先天的に、あるいは後天的に、意図せずして獲得されるのかも謎だが、「謎」だからといってすべからく解明(解決?解消?)を「しなくてはならない」ものでもない。大騒ぎするものではないんだな、と改めて思った。落ち着いて「よくわからないもの」と付き合う態度が、このみょーな体質を有したまま生きていく時間を楽しくしてくれそうである。

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