えこひいき日記

2003年10月27日のえこひいき日記

2003.10.27

M氏が「この本を書くために生まれてきた」とまで言い切る大作の近著を読んでいるのだが、読んでいて、なんだか胸が痛くなって仕方がない。書いてあることが、ではない。この問題(主題)に対する取り組み方が、である。何か悲壮感を感じてしまう。この薄氷のような悲壮感は何なのだろうか。私はすこしだけ氏のことを見知っていて、研究会に参加させてもらったり、飲み会に行ったり、何冊か御著書を頂いたりして、もちろんそれらも読ませていただいていたが(でも、ここ何年も直接にはお会いしていない。彼の研究会でしゃべるお約束の仕事を体調不良を理由にキャンセルして以来ではなかったかと思う)、その頃から漂っていた「真摯」「壮絶なくらいまじめ」という域を超えてきてしまっているような気がする。書いてあることには、とても興味があるのだ。すごく大切なことが扱われている本である。口幅ったいようだが、自分の仕事ともかぶるところも感じたりする。しかし、ひょっとしたら同じ言語を使っていても意味するところは全く異なるのかもしれない。私はこういう取り組み方を選ぶだろうか・・・
でも興味のある方は胸を押さえてお読みいただきたい。森岡正博氏の『無痛文明論』(トランスヴュー社 3800円)である。

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