えこひいき日記
夜になると鳩は・・・
2004.05.24
この事務所のベランダで鳩が産卵をし、ヒナが育っていくのはこれで6回目である。現在6回目に生まれたヒナバトたちがベランダに居る。もうしっかり見かけは大人の鳩なのだが、まだ飛べない。というか、今回の鳩たちは飛行のための練習を怠るちょっと怠惰なヒナたちなのである。こういうことは初である。
一口に鳩のヒナといっても個性がある。例えば見かけ。今回は白い羽根の分量が大目のヒナと黒っぽいヒナの2羽である。同じ親から生まれてもいつも同じ羽色の雛が生まれるわけではなく、時には親とは全く違う配色の子供たちであったりする。いろんな条件によって気や羽の発色は異なることがあるらしいが、それにしてもおもしろい。
しかし見かけの問題ではなく、今回最もユニークな点は「おとなしいヒナ」であることである。これまでの場合、私が知る限り、生まれたヒナたちはヨチヨチと歩けるようになると、さかんに遊ぶ。大抵2羽で生まれてくるヒナたちは、盛んにお互いの身体を突っつきあったり、おっかけっこをしたりして、そうしたアクティブな遊びの中で飛行のために必要な動作を体得し準備していく。飛行のための訓練は、実は膝の屈伸運動が重要なのである。通常、ヒナたちはベランダに置いてあるプランターなどを踏み台替わりにして、ぴょんぴょんと飛び上がる遊びなどを通して、ジャンプとそれに続く飛行に必要な体勢のバランスを体得していく。
ところが今回のヒナたちはまったく遊ばないのである。親鳥がえさを運んでくるまでは、ずっとベランダの室外機の下に隠れているのである。昼間ずーっとそのように座ってすごしているので、今もって膝がつかえない。この事態を憂慮してか、最近では親鳩はすぐにえさを与えに舞い降りては来ず、わざとしばらくプランターの上にたたずんだり、まるで「こうするんだと」と見本を見せるかのように植木鉢の間をぴょんぴょんととんでみたせたりするのだが、ヒナたちは膝を伸ばしたままピーピーと鳴き、ただばたばたと羽を動かすだけなのである。一向に親鳥に向かってジャンプしようとしない。うーん。困ったものだ。思わず「最近の若いもんは・・・」などと思ってしまう。うぅ。
それでも夜になるとどうやら少しだけベランダを歩き回っているような気配があるのだが、それにしてもジャンプをする気配は全くない。夜になると歩き回るとは、この子らはすっごく怖がりなんだろうか?謎である。
この先親鳩たちがいかにしてヒナに「ぴょんぴょんジャンプ」と「飛行」を教えるのか、興味深いといえば興味深いのであるが、親鳩の苦労を労いたい今日この頃なのであった。