えこひいき日記
2006年10月27日のえこひいき日記
2006.10.27
どうでもいいことといえば、どうでもいいことなのだが、最近見ていて若干腹が立つCMがある。それは某英会話学校のCMである。
外国人(?)がジャングルジムの下敷きになっていて通りかかった日本人の女の子が通りかかるのだが「英語がわからない(しゃべれない)」ことを理由にその場を立ち去り、某英会話学校にて英語を習ってから引き返してきて「Can I help You?」と嬉しそうに言う、というCMである。あくまでCM、しかもきっと「コメディ」または「ブラックユーモア」として作っているのだから、それにいちいち目くじら立てるのも・・・とも思うのだが、愉快ではない。
どこに私は不愉快な感じを抱いているかというと、「コトバがわかる(話せる)」ことは「コミュニケーションがとれる」可能性を広げますよ、ということを言いたいのだろうが、画面を見ていると、これって逆にコミュニケーションレスなお話ではないのか、と思ってしまうのである。「これがどういう状況なのか、相手が困っているのかどうかぐらい、えーごわからんでもわかるやろ!」と突っ込んじゃうのである。しかも引き返して英語をしゃべるときの彼女は笑顔。その笑顔の意味は、人を助けられるゆえの笑顔というよりは、「わからなさ」に直面するという恥かしい思いを英語が話せるようになったことでカムフラージュできた安堵の笑顔なんだろうなあ、と思うと気分はさらに暗くなる。CMに出てくる女の子のお顔はふんわりしていて可愛いんだけどね。
言葉がわからないと相手のことがわからない、と信じ込めてしまうことが私には怖い。逆に、言葉がわかるから相手の意図がわかっていると思い込めることも怖い。
その程度のことで何かをわかることができるのなら、身体や、ものごとの意味を考える意味や、関係性なんて、いらねーよ。