えこひいき日記

2007年6月21日のえこひいき日記

2007.06.21

諸事情により、この数週間ぐれておりました。決着はまだつかない。でも腹をくくるしかないのかな。

話は変わります。
私のところにはいろんな人がいろんなDVDを持ってきたりする。例えば、ダンサーが自分の出演している舞台やそのリハーサルの様子を録画して持ってきてくれて、それを見ながらレッスンの中でチェックを行う場合もあるし、有名な(?)ダンサーやスポーツ選手が動いている映像が持ち込まれて、その動きの解析を依頼される場合もある。
最近見せていただいて面白かったのは、最近巷でも話題の「B・ブートキャンプ」というエクササイズDVD。うちに来てくださっているクライアントさんが「魅力とともに、危険を感じる」ので「自分に合うやり方や、からだの使い方についてアドバイスがほしい」ということで持ってきてくださったものだ。いやー、よくできております。自分でもやってみました。おもしろかったー!でも、きついー。ちゃんとやらないと、きつい。うわさによると、多くの方が初日で筋肉痛になって動けなくなることも珍しくないそうだ。クライアントさんの勘は正しくて、確かにする人によっては注意をしないと筋肉痛とど根性だけが育ってしまうかもしれない。でも、ハマル人の気持ちがわかる。よく出来ています。

どのようによく出来ているかというと
1)約1時間のトレーニングのプログラミングが絶妙(いわゆる筋トレ・メニューで筋肉に負荷をかけて引き締めかつ精神的にも「耐える」ことを通して得られる「達成感」を感じさせるようなパートと、武術の動きをベースにして正確に関節などを使わないと上手く出来ないパートと、負荷をリリースしながらも運動を持続させる(足踏みなどの行為で)パートなど、上手くおりまぜている)
2)Bさんの声のかけ方とカメラ目線が絶妙(多分、DVDの利用者の気持ちがこの辺で萎えそうになる、というところで絶妙の「はげまし」がカメラ目線ではいるのだ。これはきっつい状態のときに「どうせDVDだし、さぼってもわからないし、いつでもやめられる」と逃げ腰になりがちな利用者の気持ちをけっこう助けてくれる)
3)参加者に常にカウント(声を出させる)ことを通して、運動中に無酸素状態で力んだままにならないように工夫し、有酸素運動化している。また声を出すことによってやる気も持続できる。
4)DVDに様々なタイプの参加者を参加させていること。インストラクターであるB氏の背後には、たくさんの生徒さんが並んでいっせいにエクササイズを行っているのだが、いわゆる「上手い人」だけではなく、様々なレベルの生徒さんが映っている。このことも、DVDの前の利用者に「これでもいいんだ、がんばろう」と思わせる効果があるように思う。

ちなみに私は、ここ10年ほど、運動と名の付くものを全くやっていない。普段はストレッチすらしない。だが「Bブートキャンプ」をしても、筋肉痛で動けない、という事態にはならなかった。多少、腹筋運動と腕立てふせを割愛して行ったところはあったが、ほぼコンプリートでやってみても、そんな感じだった。手前味噌になるのでお恥ずかしいが、あえて客観的に書かせていただくならば、筋肉痛にならずにエクササイズしたいならポイントは「武術ベース・パート」でのからだの使い方だと思う。肩関節、股関節、膝関節などを「正確に」使うこと。一つの関節をひたすら正確に使うことを要求されるエクササイズは少なくないので、くれぐれも関節の位置を正確に認識してエクササイズすること。そうすれば、力んだり、腹筋をこわばらせることで姿勢を安定させなくても、エクササイズを続行する事が可能になる。それは、いわゆる深部筋を使う動きに通じている。でも深部の動きを知覚(自覚)するのは容易ではないので、つい表層の筋肉でやってしまいがちになる。そうするとひどい筋肉痛になるのだ。

深部筋エクササイズは一種のブームになっているようで、さまざまなメソッドが存在しているし、古典芸能や古武術などの動作も「深部筋を使っている」としてエクササイズとして注目されたりもしているが、残念ながら、そのインストラクトをしている人たちの中にも間違って表層の筋肉で動作をやってしまっている人たちが少なくない。表層の筋肉を使った方が筋肉にある種の「手ごたえ」を感じるので、自分で「やってる!やれている!」感じになりやすいのだが、その「感じ」に溺れるとせっかくの努力があだになるので細心の注意が必要なのだ。本当に深部筋が働いたときは、大きな感覚を伴わない事が多い。「すーっと」とか「さっ」とか出来てしまうのである。だから、深部筋とともに鍛えるべきは身体感覚である、ともいえる。より細やかな身体感覚と動作に気がつける訓練をすべきなのである。その一助になれば・・・と日々レッスンをしている次第だが、何らかのものが伝わっていればよいな、と思っているところである。

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