えこひいき日記

2008年6月20日のえこひいき日記

2008.06.20

先日東京に行った際に、宿に着いた途端なぜか顔以外の場所全部に発疹が発生。かゆかゆに負けてつい掻き毟ってしまい、しばし血まみれになってしまった。京都に帰ってからはずいぶんましになったのだが、いまだに時々かゆく(多分、引っ掻いちゃったせいで皮膚のバリア機能が回復しきっていないのだと思う。埃や汗に触れてもかゆい)、やたらとだるい。そのせいなのか、大阪で観るはずだった舞台の時間をなぜか完全に勘違いしていて、チケットをふいにしてしまった。ぐすんぐすん。ばかだぁ。

勘違いからの帰り道、電車に乗っていたら隣の席に女性が座ってきた。なんということはない、日常的な出来事である。日常的、なんだが、その女性がずーっと自分の前髪を引っ張っているのである。断続的にではあるが、かれこれ小一時間。ロングヘアの女性が手持ち無沙汰のときに自分の顔の横辺りの髪を指に巻きつけてみたり、枝毛を探してみたり、などという風景は見たことがある。しかしこの女性はショートヘア。前かがみの姿勢をとって、頭頂部よりやや前方の髪を指でつまんでしつこく引っ張っているのである。これはロングヘアの女性が取りがちなしぐさに比べれば、無意識的とも言い切れない、やや意識的なしぐさのようにも思えた。しかし意識的な動作にしては、その目的がわからない。その日は雨が降っていたから、癖毛や湿度でうねった毛先を気にしているのかしら、とも思ったが、その女性は特に癖毛でもなければパーマヘアでもない様子。つんつん引っ張って抜けてしまった毛を払ったりし、その後はしばし手を休めるのだが、すぐにまた前傾姿勢をとって前髪を引っ張り始める。
見るつもりもないし、私が気にしてもどうともしようもないものなのだが、無視するには妙に濃い動作なのだ。でも本人にとっては、無意識に近い動作なんだろうな、とも思う。

最近、いつもにも増して、ひとの「無意識」がなんだか怖い。無意識の意識。それも意識なのだ。でも、本人がそのことに気がついていない。意識とは何だろう。現実とは何だろう。誰にとっての、何なのだろう。そんなことを思う。

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