えこひいき日記

2011年1月4日のえこひいき日記

2011.01.04

あけましておめでとうございます。今年も素敵な一年になりますように。

さて本日は新月で日食である。旧暦で言えばやっと霜月、つまり12月で、太陰暦の新年まで1ヶ月あるわけだが、でもそういうタイミングで仕事始めというのもなんだか清々しい。
そして今年は卯年である。「卯」は「うさぎ」なんだが「兔」とは異なる文字を当てる。干支の動物たちにはそういうことが多い。つまり、シンボルとしては動物のウサギなのだが、その意味するところは動物のウサギとは異なるものなのである。
昨年の「寅」が「虎」でありつつもそうではなく、地表に芽を出したばかりのモノを意味するように、「卯」にも意味がある。基本的に干支は「続き物」になっているので、芽の次の成長を意味する双葉が「卯」の意味の一つである。ウサギの長くて印象的な耳は芽吹いて成長を始める双葉になぞらえてのものなのかもしれない。他にも「門」という意味があるという(『説分』)。ちょっと恐ろしげな意見では、「卯」は儀式のために屠られた動物の肉が真っ二つになったところ、というのもあるが(白川静先生の『説分新義』)。

造形的に見てみると「門」も「卯」も僅かな隙間を挟んで左右相似の形が並んでいて、そうした形の文字の持つ意味と、ウサギの長い耳とが、違うものなのに「類」を成していく不思議な世界。人は形や意味や概念といったものの間を不思議な糸(意図)でつないで世界を自分の認識しやすいかたちに加工する。だからこそ、見えやすい加工品のほうだけを「世界」と思い込まないように、と自戒もする。そういえば年末にそういう夢を見たのだが、ここで書くと話がややこしくなりそうなので、また後日書く。

ともあれ、なんだか今年という年は「開門」という感じがしている。自分で押して開く扉みたいな感じの。
そういうとあっかるいイメージなんだけれども、実はちょっとびびってていたりもする。びびりモードで書くならば、扉が開くということはそれまで扉の内側で安定していた秩序が破れるコトであり、扉の向こう側は「未知の世界」なのであって、文字通り予想が付かないのだ。でも、実はそういうのってわくわくする。

今年がいい一年になりますように。

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