えこひいき日記

2013年1月7日のえこひいき日記

2013.01.07

あけましておめでとうございます。巳年でございます。今年もよい一年になりますように。

しばらくこの「日記」の更新を怠ってしまった。けして書くことがなかったとか、心動かされること、考えることがなかったというわけではない。
むしろ、いろんなことがいろいろあった。
世間的な出来事・事件だけみても、尼崎の連続死体遺棄事件とか、人のココロの中のじくじくしたところをオンパレードされているようで「なんやねん」と思いながらニュースを見たりしていたし、中村勘三郎さんの逝去はすごくショックでしばらく泣いた。中山教授のノーベル賞受賞にはわくわくしたし、政権交代とかも、「ほえー」という気分で選挙報道を見ていた。

レッスンを通しても、クライアントに悩まされても、共感しても、感動しても、それぞれ何かを感じる。そして考える。

そうしたことを「伝えたい」という欲求が無いわけではないし、「書きたい」と思わないわけではない。むしろ書かないとむずむずするような思いさえある。クライアントの記録などはまさにそうなのだが、書くまで自分の記憶から「出来事」が去らないのだ。書かないとすっかり忘れそうなものなのだが、意外とそういうものではなく、消え去るままにしておけない何かざわざわしたものが断片的な姿のままからだのどこかに溜まっていくようで、けっこう気持ちが悪いのだ。
でも、だからこそ、「書く」ということは私にとってはそのざわざわに形を与えて「落ち着かせる」「終わらせる」ことでもあり、作業には一定の「体力」が要る、と再認識するのである。この場合の「体力」は「気力」でもあり「時間」でもある。何かを見つめながら、少しそこから自分を浮かせるというか、手を離すような「感覚」も含まれる。

だから、何かに囚われて自分をそこから少し浮かせることが上手くできないとき、多分私は「書く」がうまくできなくなる気がする。

私が囚われていたのは「家族」である。
正直言って、この問題は簡単に終わりそうにない。当面の問題を乗り切ったなら、今のことを笑って振り返れるようになるかもしれない。でも今はまだ「終わり」ではない。それに、基本的に「家族」に対する悩みは普遍的な悩み事なんだと思う。そういう意味では誰にとっても、終わることのない問題。私だけが苦しんでいるわけでもなければ、私だけが免れてきた問題でもない。
だから、悩むことを自分に許して、悩みながら前を向いてみるくことが、今出来る精一杯なのではないかと思う。主体的に悩めれば、きっと出来ることもあると思う。

だが、そう思ってしまうまでの、悩むことへの迷いや嫌悪や辛さは、体調になって現れた。眩暈と頭痛と吐き気が2ヶ月以上続いた。眩暈は私のストレス・パターンである。幸いめったに出ることはないが、かつてもある悩みをきっかけに出たことがある。でも今回は長くて酷かった。眩暈の種類からして三半規管以外の要因による眩暈と思われるのだが、脳のCTを撮り直しても異常は発見されない。まあ、最悪の可能性がそうして遠のいたと思えば悪くもないことなのだが、「よくわからない」とも言われてしまうので処方薬もほんのりとしか効いてくれなかった。
這うようにして事務所に行っても、仕事をしている間は眩暈が邪魔にならない。感じなくなるわけではないのだが、仕事モードのときは妙に制御できてしまうのだ。でも疲れやすいので、合間合間に横になるようにし、帰宅してもできるだけ眠るようにした。ゆえにあらゆる作業が滞る。それにイライラした日もあった。

どのような薬を処方されても止まらなかった眩暈が突然好転し始めたのは、あることからであった。話すとややこしいのでその顛末をえい、と要約してみる。要は
「自分がどんな人間か」
を思い出したのである。
周りの思惑とか、自分が勝手に背負ってしまったものとか、不安とか、様々な理不尽に対する怒りとか、そういうものからふと離れてみれば、どんなにしんどいと感じていたとしても、自分の本質的なところは少しも傷ついていないんだと感じられた。へんな言い方だけれども、辛くても、仮に辛いことがこの先途切れないとしても、私は何が自分にとって本当に大事で、何が好きで、どういうものにときめくのかを忘れていなければ、私は大丈夫なのだと思う。
もちろん辛いのはいやだけどね。でも、自分の努力や望みでどうにかなる範囲もある反面、どうにもならない範囲があることも無視は出来ない。いや、多分、自分に出来ることを生かそうと思えば思うほど、自分にはできないことを受け入れていかなくてはならないような気がするのだ。それは諦念ではなくて、受け入れたその先にやっと可能性が見えるんじゃないかと思う。

なるべく、ハッピーな方向で考えていきたいと思う。それでも浮世のいろんなことが柵んでくるとは思うが、がんばって人間として成長したいものだ。

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