えこひいき日記

2014年1月18日のえこひいき日記

2014.01.18

新年のあいさつをするのも間が抜けているような、1月も半ば過ぎ。今年もよろしくお願いいたします。

あれよあれよと日々は過ぎ、気がつけば手術のためのお休みも目前である。
先日、手術のための術前検査を受けた。身長体重の測定、血液検査、心電図、肺活量、胸部レントゲンなどである。あと、手術後に装着するプロテクターのための採寸など。

そうして「物体」としての自分のからだをみてみると、私の身体はけして「モノがいい」わけではないことが改めてわかる。
外見的なことにしても、身長は低い。他者に褒められたり憧れられたり、何をするにあたって特別に有利であったり恵まれている身長ではない。体重とのバランスも、まあ普通。太ってもいないが、いわゆる素敵なスタイルではないと思う。特にマッチョなわけでもない。外見も年相応。普段から熱心にシェイプアップをして体を作っているわけではなく、かなり「フツーに」していてできあがった体だ。
レントゲンに写る骨格は「普通」どころかリスキーな形をしている。ストレイトネックだし、ストレイトバック。脊柱のカーブがすごく浅いのだ。医師に「肩や腰に痛みはないですか?」としつこく聞かれる。「ない」というとちょっと不思議そうな顔をされる。
肺活量の検査では、私の息の吹き込み方は弱く見えるらしく「もっと!もーっと!!」と言われ続ける。だが、数値をみて「あれ、出てるな」などと言われる。
血液検査も、きっと普通だろう。特にヘモクロビンの量が多いとか、他の人と違う未知の血液成分を持っている、とか、あるはずものもがいない、とかではあるまい。

リハビリでの私は「普通」とはちょっと違うらしい。「ポテンシャルが高い」「ここまでできる人はなかなか…」と言われたりすることがある。先日は高校生と思われるバスケ少年(その少年は股関節を含めた関節の柔軟性が乏しく、かつ、まだまだパワーを信奉するお年頃のせいか、医師やPTが勧める「関節の可動域を上げ、筋肉の柔軟性を上げる」重要性に関心を持てなかったらしい)の見本をやってしまった。自分としては「フツーに」動かしていることなのだが、それは時に人を驚かせるような動きらしい。
私のリハビリは、とにかく手術前に「できるだけ患部を傷めず、腫れを作らず、二次損傷を招かずに、筋肉を増やしておく」ことが目的。本格的な「機能回復」としての「リハビリ」は術後に待っているのだが、術前から筋トレメニューは増え、マシンでウェイトを上げたりしている。怪我をした脚にもウェイトをつけてトレーニングする。「切れたまんまなのにそこまでするんですか」とひとから言われたりもするが、するというか、させられるのである。そして、きつい。でも、充実感もある。

レントゲンや心電図に写る「わたしのからだ」と、動きの中にみえる「わたしのからだ」。
どちらも「わたしのからだ」なのだが、随分違うものだな、と思ったりもする。どっちがほんとかな、と思ったりもするが、多分それ自体が愚問で、どっちも、どうしようもなく「わたし」なのだ。
では、普段私が認識している身体とは何なのか。
レントゲンに写る「からだ」と人の目に映った動きの「からだ」と、どう重なり、どう違うのだろうか。レントゲンやリハビリ室でのコメントに、全く新しい情報や意外性はなかったものの、新鮮ではあったわけだから、「いつもの認識」とは何かが違ったわけだ。では「いつもの認識」とはどんなものだったんだろう。
うーん…うまく言葉にできない。

ただ、率直に浮上した感想は「ありがとうね、わたし」なのでした。
わたし、モノのわりにはがんばっているんじゃないかしら。モノだけの性能で今の生活を作れるとは思えない。私の「普通」ってけっこういいフツーだったんだ…

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