えこひいき日記

2020年4月15日のえこひいき日記

2020.04.15

所用があって、通勤経路ではない京都の街中(いわゆる繁華街)を歩いてみたのだが、確かに人が少ない。
というか、閉まっている商業施設やお店が多い。
繁華街の飲食店も、テイクアウトに応じてくれる店が多くなっていて驚いた。
何とかみんなこの時期を乗り切っていけますように。

テレビなんかも、新型コロナ関係のニュースでなければ、過去の素材を使った総集編的な番組も多くなってきた気がする。
その中で、とある対談番組の無公開シーン&総集編というのをやっていて、坂東玉三郎さんが出ていらした。その中で「長い休み」を取ったときの経験を話されていたのが印象的だった。
彼は40代の時に70日間の「長いお休み」を取ったのだという。

ご存知の方も多いと思うが、歌舞伎役者さんはほとんど年間スケジュールが決まっている。どの劇場でどの時期に公演をするかが風物詩のように決まっていて、しかもそれぞれが1か月くらいの長丁場。稽古やその合間を縫って入ってくる仕事を入れるとなると、あまりまとまった休みがない生活だ。それを70日間、スパッとやめた時期があったという。
やめてみると、それまで一つのことに集中していたからこそ見えていなかったものが見えてきた、と彼は言う。また「休むのって怖いでしょ。休むと後退すると思っている。確かに肉体はそうかもしれない。でも肉体はまた動かし始めれば戻る。でも、魂は休むことで後退はしない。」と。
私の記憶にある限りなので、ディテールが違っているかもしれないが、今のこの時期にこの言葉を聞けたことはとてもタイムリーなことに思えた。

「しなくてはならない」「してあたりまえ」を「しない」先に広がる風景を、「自由」と呼ぶか「異常」と呼ぶかはその人のその時の状態次第だろうし、同じ人の中でもどちらかだけではないように思う。
自分が、「どんな人でないといけないか」ではなく、「どんな人なのか」を知っているか否かによっても違うかもしれない。

意外と知らないんだよね、「自分」がどんな生き物なのか。
勤勉な人ほど「ならねばならない人」になろうとして、自分を御する技術はいろいろ持っているんだけれども、それが自分という生き物のスペック…才能や傾向や注意点や…を生かすものなのかは考えていなかったりする。
だから「自分がわからない自分」を認識した時に、「そういう自分を知る方法」として占いに行ったり、お参りをしたり、カウンセリングを受けたり、こーゆー場所に来たりするんだろうと思う。
(ゆえに「知ろう」とはしないで「支配しよう」とする人にはいずれの方法もあまり効果的に働かないといえる)

かく言う私も「わたし」のことがわかっているかというと、わからない。
自分のからだのことがわかるか、というと、やっぱりわからない。思い通りにできるわけではなくて、あくまで「活かして使っている」「共生」している感じだ。

わからない「わたし」をわかりたいと思っているので、私は「日課」を持っている。
「日課」の効果については『禍→福ワーク』等のワークショップで紹介しているが、「日課」とは、けして「毎日しなくてはいけないこと」という意味ではなく、「それをした方が調子がいい」「それをした方が自分の今日の体調や気分が把握できる」ルーティンのことで、結果的に続いている、続けた方が気持ちがいい、と感じられるもののこと。たとえ何かの都合で中断することがあっても自分にペナルティを課す必要はない。だってまた始めればいいだけだもん。

具体的に何をしているかは、「アーユルヴェーダの小部屋」の「朝はデトックス・タイム」に紹介しているようなことである。
これを今紹介する理由は、「免疫力キープ」に一役買うと思うから。
ポイントは「余分なものを省いておく」ことと「あたためる(ひやさない)」ことかな。
やり方は「小部屋」を参照していただくとして、ここではその理由を書いておきたい。

朝イチの歯磨き・舌磨き

口中細菌の除去。そのまま食事をとったとしても胃酸で無害化できるものではあるが、消化器系が弱っているときには負担になることも。また口の中がねばついていたりするところに別のウィルスや有害物質が付着すると少し話が違ってくる。「胃の調子がよくなった」「風邪をひきにくくなった」という方も多いので、おすすめ。
舌磨きは是非専用の器具を。歯磨きのついでに歯ブラシで磨いたるすると、かえって舌の表面を傷つけて細菌が侵入しやすくなったりもするのでご注意を。

お白湯を飲む

コップ一杯のお白湯をふーふーしながら飲む。水分補給のみならず、ゆっくりと消化器を温め腸活になる。腸が元気でいることは免疫力アップの要!メンタルにも影響が大きい。

朝食前の軽い運動

私は〆の短い瞑想を含め、30分程度行っている。文字通りのウォーミングアップになることはもちろん、例えば朝から気分的に「しんどいな」と思っていたのが本当にそうなのか、エンジンがかかっていなかっただけなのか、体調ではなく気がかりなことなどが原因なのか、判別することができる。また、頑張り屋さんだがばてやすい人が無意識に持っている「緊張と興奮で元気を捏造する」「自分のコンディションではなく責任感優先で動く」ことからやんわり自分を遠ざけて、「穏やかだけど元気」「エネルギッシュだけど荒ぶっているわけではない」というコンディションを作りやすくする。

私はこうした「日課」を持っているおかげで、現在の状況下でもあんまりダメージを受けず心身の健康が保ちやすい気がする。
また、夜遅い食事や、睡眠不足は便秘などの腸のコンディションを弱らせる原因になりやすい。いつもと違う生活パターンになると、一種のはしかのように「夜更かし」「寝だめ」などができることが「自由」のように感じられてやってしまいそうになるが、免疫の要となる腸と脳にとっては意外と負荷になるので注意されたし。そういうことが「したい」と感じているということは「あ、私やんわり普通に疲れているんだわ」と理解されたし。

また、在宅ワークを心地よく進めるポイントも上記の「日課」でわかろうとする「自分の性質の理解」に関わることが多いような気がする。
以下は『疲労と活力』などのワークショップで主に紹介していることだが

「気分」と「不安」でやることを決めすぎない

「やるとなったらとことんやる(その方が気持ちがいいから)(下手をすると、休日の家での「仕事」の仕方がこのパターンばかりだったりする。漫画を読むのも、掃除をするのも)」とか「こんなことをしていていいのか、これでいいのか、という思いが常にある(根拠はないが、自分に自信がない、不安感が強い)」という気分の支配下のもとで「仕事」をすると、たいてい「やりすぎ」か「やらなさ過ぎ(本来の「したいこと」や「すべきこと」ではない方のことをやってしまう)」で疲労を招く。当然ながら達成感も満足感も薄く、本当に「仕事」が進まないことも多い。それをまた「気分」的に満足させたくて、リベンジとばかりに過激に頑張りだすか、「やる気が出るまでやらない(葛藤回避策なのだが、実は葛藤は抱えたまま)」で自己評価を下げ、辛くなってしまう。

このパターンを是非避けたい!

ので、具体的には

・定期的に

「休息をとる」「ちょっと動く」…例えば「窓を開けて換気」「伸びなどのストレッチをする、立ち上がるなどして、姿勢を変える」「お茶を入れて水分補給(腸活にもなる)」「思い切って、少し横になる」など

・方法として

「仕事する場所(部屋の一角)を決める」「あえて着替えて事に当たる」「したいことに関わりのないものが目に入りすぎないよう、適度に片付ける」

・心構え

「一気に、とか、できるまでやる、とか、しない(疲労せずに最後までやり遂げて笑顔で終われるよう、段階的に進行を組み立てよう)」
「やる気になるまで待つ、とか、しない(やってみて、だめだったら、一度やめよう。でもやれるかどうか、やってみてどうかを試すチャンスは自分に差し上げてみよう)」
「疲れるまでやらない。疲労や苦痛(コリとか痛み、あるいはそれを我慢して我慢の限界まで行きつく)を行動の“終了”コールサインとして使わない。“終了”は理性や知性の仕事。定点観察的に自分を見極めて、疲れる前に切り上げる、あるいは休息を一度入れる」

在宅ワークって、自分しかいない。
人によってはそれがつらいかもしれない。
他人としていた会話を、他人の目があるからしていると思っていたことを、自分でしたりしなかったりするのだから。
いや、他人とも仕事ではしたことがないような本音も交えた会話を、自分としないとわからないことまである。
でもチャンスかもしれない。

是非在宅という「不自由」があなたの「自由」に出会う機会になりますように。

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