えこひいき日記

2002年7月29日のえこひいき日記

2002.07.29

事務所のベランダにはガラスの水槽が置いてあり、その中に「姫睡蓮」という小ぶりの睡蓮の鉢が2つと、めだかを2匹放してあったのだが、この気温や室外機の熱風で、水温が高くなり、睡蓮の葉が枯れ始めた。水の中に手を入れると明らかにしっかりとぬるいのであった。そのうちめだかがゆだってしまうと困るので、発泡スチロール製の箱を水槽に見立て、そこに睡蓮とめだかたちを移すことにした。発泡スチロールの箱に移してからは、水温はそんなに上がらず、常にひんやりした状態を保っているので、よい感じである。でもそれだけだと、あまりにも見かけが無粋なので、「インテリア・バーグ」と呼ばれる木製の園芸装飾用の素材で箱とコンクリートの床を覆い、なんとなく庭っぽくした。あくまでも、非常に「なんちゃって」風なのだが、まあよいのだ。
京都生まれ・京都育ちで、海のないところに育った私だが、水は何となく好きなのである。別に水泳が得意とか、そういうことでもなく、あくまで「なんとなく」なのである。ダイビングのライセンスも3つ持っているが、私にとってダイビングはあまり「レジャー」という感じではない。「自分で吸う空気すら自分で持ち込まなくちゃいけないんだから、こんなとこに行ったら簡単に死ねるなあ」という感覚が常にある。だからある意味ですごくこわいんだけれど、それは別の言い方をすれば逃げようのない冷静さを私にもたらすので、すごく落ち着く、という、奇妙な感覚の状況の中、海の中に入るのである。ダイビングにしろ、水泳にしろ、私はどうやらそこで「わー、お魚よ!」とか、がんがん泳ぐ、とか、そういうアクティヴィティを求めているのではなくて、ただ水に触れているのが好きなのかもしれない。海の中から眺める太陽は、とても好きだ。ときどきあれを見るために「海に潜りたいなあ」と思ったりする。

ところで、そのようにしてもとのガラスの水槽はベランダから撤去して、掃除するために流しの方に運んできて、水を張って一晩ほど置いていた。そして翌日水槽を見てみると、結構大きい(といっても、3ミリから5ミリくらい)タニシがいるのである。タニシのほかにも、何かうごうごした生き物が水槽の中を泳いでいるのである。「このこらは、いつ、どこからやってきたんだ?」という謎はあるものの、なんとなくけっこう感動してしまった。水槽の中は水槽の中で、いつのまにか一つの生態系を成立させていたのだ。そうして、何となくその水を捨てがたくなり、どうするかを考えている。おいおい、ベランダの箱池の中に移すか、それともここに新たな魚なんかを飼っちゃうか・・・などと考えている。

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