えこひいき日記

2003年9月28日のえこひいき日記

2008.09.28

今日のレッスンが終わってからテレビをつけたら、NHKの再放送で『盲導犬クイールの一生』を放送していて、観てしまい、泣きまくってしまった。このドラマは本放送のときにもときどき観ていて、そのたびに泣いてしまったのだが、知っているシーンを見ても全然だめだ。やはり泣いてしまう。
でもそれは悲しくて泣いているのではない。強く激した感情で「感動!」とかいうのとも違う。「奉仕」とか「福祉」という言葉に時に付きまといがちな、「たいへんなのに、えらいねえ」みたいな感情でもない。もっと淡々としていて、けっこうふつうで、まっとうで、特別な人たちの特別な話が描かれているのではなくどこかで自分の生活にも共通するような、とても大事な何かがあって、それで泣いてしまうような気がする。
たまたま私の母がソロプチミストという奉仕団体に参加しており、その団体が盲導犬の育成事業に協力している関係で、この物語の舞台となった盲導犬訓練センターのことやパピー・ウォーカーさんたちの話も間接的にはすこし知っていた。しかしこのようにテレビ番組となり、一つ一つのエピソードがドラマとして声や動きや姿になり、細やかに再現されると、やはり胸に迫るものがある。登場する人たちの演技も、いわゆるドラマティックな激した演技ではなく、彼らの日々の事を描いており、だからこそ一つ一つのエピソードの中にあるエッセンシャルなものがみえてくる。「一生」とか「人生」という言葉を使うと何か大げさに思いがちだが、要するにそれは「毎日」ということである。「毎日」の中でしか作られえないことがある。何か、イベント的な一瞬の出来事が人生を作るのではない。圧倒的に日々の問題なのである。

ところでレッスンをしている事務所のあるビルの、廊下の塗装工事が終了したのだが、なんと壁の下半分が黄色に塗られてしまった。朝、廊下を通りかかった段階ではまだ下準備をしている段階だったので、色までわからなかったのだが、よもや黄色とは思わなかった。趣味わるーいんである。なんということであろう。クライアントの皆様、いらっしゃるとき驚かないでね。

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